目次
診断・治療してもらうまでの苦労
夫・Haruyukiが「線維筋痛症」と診断してもらうまでには、大変な時間と労力を要しました。
夫・Yukiharu
夫・Yukiharuも、発症後、「線維筋痛症」と診断してもらうまで、1年6ヶ月もの時間がかかりました。
夫・Yukiharuが「線維筋痛症」と診断され、現在の治療を受けるようになるまでは、前回までの投稿で紹介しています。
その理由は、線維筋痛症の症状や原因、診断方法に理由があるようです。
Pechiko
今回は、線維筋痛症の症状と、別の疾患の症状を比較することで、「線維筋痛症」の診断に時間がかかる理由を考えてみましょう。
「線維筋痛症」と他疾病の症状の比較
線維筋痛症の症状
線維筋痛症友の会、公益財団法人日本リウマチ財団によると、線維筋痛症の症状が次のように示されています。
線維筋痛症とは
線維筋痛症とは、全身的慢性疼痛疾患であり、全身に激しい痛みが起こる病気です。
症 状
主な症状は持続的な痛みです。全身や広範囲が痛み、またある部分だけが痛むこともあります。
その痛みは軽度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多いです。痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあります。痛みが強いと日常生活に支障をきたすことが多く、重症化すると、軽微の刺激(爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音など)で激痛がはしり、自力での生活は困難になりますが、重症化する前に早めに受診して対策することが必要です。
随伴症状として、こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイ、記憶障害、集中力欠如、レストレスレッグス症候群などが伴う事もあり、症状は個人差があります。中には、リウマチや他の膠原病に伴って線維筋痛症が発症している場合もあります。
※ 太字・下線による強調は筆者によるもの
引用:線維筋痛症友の会 https://www.jfsa.or.jp/page0101.html
引用:公益財団法人日本リウマチ財団
さらに線維筋痛症友の会によると、線維筋痛症について、次のようにも示されています。
線維筋痛症について
こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイなどが伴う事もあ ります。他覚的所見としては「特異的圧痛点」(ツボのようなもの)を押して診断しますが、 通常の検査では何も異常がないのも特徴です。問診票による新しい予備診断基準が採用されている場合もあります。膠原病やリウマチと症状が似ている部分もあります。また、慢性疲労症候群・膠原病・リウマチ・血清反応陰性脊椎関節炎等と似ていますので、しっかりした鑑別診断が必要です。
※ 太字・下線による強調は筆者によるもの
引用:線維筋痛症友の会 https://www.jfsa.or.jp/
このことから、「線維筋痛症」と診断するためには、症状が似ている「膠原病」「リウマチ」「慢性疲労症候群」「血清反応陰性脊椎関節炎」等ではないということを、検査等によって診断する必要があるようです。
また、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎を伴うこともあることから、必要によっては精神科や心療内科、脳神経外科、内科、ペインクリニック科などの受診・検査を要するのかもしれません。
Pechiko
難しい言葉がたくさん並んでいるなぁ・・・。
簡単にまとめると、本当は別の病気なのに、間違って「線維筋痛症」だと診断しないように、別の科を受診したり、いろいろな検査をしたりする場合があるっていうことだよね!
「膠原病」「リウマチ」の症状とは
線維筋痛症と他の疾病の症状を比較するために、ここで「膠原病」「リウマチ」の症状を確認してみます。
リウマチ学会では、「膠原病」や「関節リウマチ」について、次のように示されています。
リウマチ・膠原病を心配したら
Q:膠原病とは、どんな病気ですか?
A:「膠原病」という言葉は、ひとつの病気の名前ではなく、共通する性質を持ついくつかの病気の総称です。(中略)膠原病は、「結合組織疾患」や「リウマチ性疾患」などと言い換えられることもあります。(後略)
Q:どんな時に膠原病が疑われ、どのように診断されますか?
A: 膠原病の症状には、発熱、全身倦怠感などの全身症状や、関節や筋肉の痛み、皮疹、息切れなどがあります。(後略)
※ 太字・下線による強調は筆者によるもの
引用:一般財団法人日本リウマチ学会 https://www.ryumachi-jp.com/general/collagen-diseases/
関節リウマチ(RA)
症状・検査
主な症状は、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりなどです。手足の指、手首に症状を認めることが多いですが、肘、肩、膝、足首などにもみられます。(中略)また、全身倦怠感や微熱、食欲低下などの全身症状や、皮膚(皮下結節など)、眼、肺など、関節以外の症状が出ることもあります。眼や口腔内の乾燥を来たすシェーグレン症候群を合併することがあります。
血液検査として、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体は重要です。(中略)
画像検査として、関節レントゲン検査や超音波(エコー)検査、MRI検査などが行われます。
※ 太字・下線による強調は筆者によるもの
引用:一般財団法人日本リウマチ学会 https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/kansetsu-riumachi/
Pechiko
「膠原病」や「関節リウマチ」の症状って、「線維筋痛症」と共通している症状が沢山ある・・・。
「線維筋痛症」と「膠原病」「関節リウマチ」の症状の共通点に、関節や筋肉の痛み、腫れ、こわばり、倦怠感、発熱、目や口腔内の乾燥などが挙げられることがわかります。
精神疾患の症状とは
精神疾患について、厚生労働省のホームページでは次の疾患が紹介されています。
こころの病気を知る
依存症
引用:厚生労働省 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/index.html
うつ病
強迫性障害
摂食障害
双極性障害(躁うつ病)
てんかん
統合失調症
認知症
パーソナリティー障害
発達障害
パニック障害・不安障害
PTSD
Pechiko
精神疾患って、こんなに様々な種類があるの!?
これだけ様々な疾患の症状全てを取り上げることは難しいので、ここでは「うつ病」の症状について確認します。
身体に現れるうつ病のサイン
うつ病の精神症状に気づく前に、身体の不調が現れることもあります。
食欲がない
性欲がない
眠れない、過度に寝てしまう
体がだるい、疲れやすい
頭痛や肩こり
動悸
胃の不快感、便秘や下痢
めまい
口が渇く※ 太字・下線による強調は筆者によるもの
引用:厚生労働省 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_depressive.html
上記の赤字の症状は、線維筋痛症でも見られる症状です。
Pechiko
症状だけに着目すると、「線維筋痛症」なのか「うつ病」なのか、判断がしづらいかも・・・。
「線維筋痛症」の診断に時間がかかる理由
線維筋痛症、膠原病、精神疾患などの症状では、
Pechiko
身体の症状だけに着目すると、「線維筋痛症」なのか、それとも「膠原病」や「精神疾患」なのか、分かりづらい!!
だから、簡単に「線維筋痛症」と診断できないのかも・・・。
線維筋痛症の診断について、リウマチ情報センターのHPで、線維筋痛症の検査と診断について、次のように示されています。
線維筋痛症
検査ではどのような異常がみられますか? <検査>
医療機関で実施できる検査である、血液・尿検査、レントゲン撮影、CTやMRI、エコー検査などの画像検査、脳波などを施行しても、線維筋痛症に特徴的な共通の異常は得られません。したがって、一般的病気のように、ある検査結果に異常が出たから、線維筋痛症と診断することができません。しかし、線維筋痛症と診断されても、治療薬剤を服用中の副作用のチェックのため、あるいは線維筋痛症と合併しやすい病気併発の疑いが出てきた時は、各種検査が行われるのは当然です。
この病気はどのように診断しますか? <診断>
検査の項で記載されているごとく、一般的検査で線維筋痛症に特徴的な異常のないことから、診断にあたっては、症状の内容と経過、あるいは丁寧な診察によって、診断基準・分類基準を用いて診断がなされます。そのなかで、身体の特徴的部位を圧迫する(親指で4Kgの力で押さえる)と、線維筋痛症の患者さんは強い痛みを訴えます(圧痛点が陽性)。(後略)
※ 太字・下線による強調は筆者によるもの
引用:リウマチ情報センター https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm120/fm.html
このことから、線維筋痛症を疑われる患者さんについては、上記のような様々な検査で異常が無いことを確認することが考えられます。
検査の結果、異常がみられた際に、別の疾患なのか、それとも別の疾病を併発している「線維筋痛症」なのかを判断することになるのでしょう。
Pechiko
ということは、病院に線維筋痛症を疑われる患者さんが来院したときには、それだけ沢山の検査をして、その上で丁寧な診察をしなくちゃならないんだ!!
確かにそれは大変だ!
「線維筋痛症」って診断するまでに時間がかかってしまうのも、分からないこともないかも・・・。
Pechiko
だから夫・Yukiharuも、「線維筋痛症」って診断してもらうまで、時間がかかったのね・・・。
と、改めて考えるPechikoでした。
次回も、線維筋痛症の原因や診断方法に着目して、線維筋痛症の診断に時間がかかる原因をさらに掘り下げて行く予定です。
こういった事実を知ってもらうことで、今も「線維筋痛症かも?」と苦しんでいる方が、早期に診断・治療を受けられるようになればいいなと、心から願っています。